NO.24<税務Q&A_事業承継>私は未上場の会社を経営しており、自社の株式を100%保有しています。この度、相続税対策の観点から、海外の事業会社で働いている息子に、自社株式を一部贈与したいと考えておりますが可能でしょうか。また、贈与できる場合に、注意すべき事項も教えてください。

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非居住者の息子様に株式を贈与する方法として、暦年贈与と相続時精算課税が考えられます。どちらの手法でも非居住者の息子様に自社株式を移転することは可能です。株価次第にはなりますが、多数の株式を贈与したい場合は、相続時精算課税をオススメします。

注意点としては、国外転出時課税の適用有無の判定と考えます。

国外転出時課税とは、贈与者が保有する有価証券(上場株式、非上場株式等)の価額が1億円以上の場合に、海外の居住者である息子様に、自社株式を贈与した際に、贈与者が保有している有価証券の含み益に対して所得税が課税される制度です。納税を猶予する制度がありますが、手続きの煩雑さと専門家フィーの負担が必要となるため、実務上、適用するかどうかはケースバイケースです。

なお、日本国内に住所がない方が贈与税の申告をする場合は、納税管理人と納税地を定めて、納税者の代わりに申告書の提出と納税を税務署に行う必要があります。ただし、贈与税の納税資金は、受贈者が負担する必要がありますので、ご留意ください。