NO.38<事業承継Q&A>Q:金融機関から非上場株式の株価引下げ対策として、退職金や航空機のオペレーティングリース等を提案されています。会計士・税理士の視点から、株価対策で他の方法がありましたら教えてください。なお、当社は従業員が100人以上おり、卸売業と小売業を兼業しております。
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■ 事業承継Q&Aについて
A:一案として、類似業種の変更が考えられます。
はじめに
類似業種比準方式は、評価会社の業種に類似する国税庁が選定する標本上場会社の平均株価をもとに算定しますが、業種区分によって比準のための株価と比準要素の金額が異なります。
評価にあたって適用される業種は、売上の50%以上を占める業種で判定されます。したがって、小売業ち卸売業を兼業している場合で、売上構成比もほぼ同じような場合は、これらの売上比を少し変更することによって、適用される業種区分を変更できる可能性があります。
業者変更により、1株あたりの株価を80円の引き下げ効果あり
例えば、小売業から卸売業に業種を変更した場合は、以下の通り1株あたりの株価が引き下がります。
卸売業の場合の1株あたりの株価 354円×0.64×0.7=158円
小売業〃 474円×0.72×0.7=238
業種目 | NO | 配当 | 利益 | 純資産 | 令和3年度平均株価 |
卸売業 | 65 | 7.4 | 34 | 366 | 354 |
小売業 | 79 | 5.9 | 41 | 268 | 474 |
評価会社 | 配当 | 利益 | 純資産 | ||
大会社 | 5 | 25 | 200 |
さいごに
合併や会社分割等の組織再編等を利用することによって、会社の業種区分を変更できる可能性があります。
当事務所は、株価対策における組織再編等の実務経験とノウハウが豊富にありますので、お気軽に田村までお問い合わせください。